みなさんは、毎日どれくらいの睡眠時間をとっていますか?
睡眠は、美容や健康にとって、とても重要な要素のひとつです。質の良い睡眠を心がけることによって、キレイな肌を手に入れることができます。
今回は、そんな美容と睡眠の関係性について、詳しくお話ししたいと思います。さらには、美肌のための睡眠のコツまでご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
美容と睡眠時間の関係
睡眠不足が肌に悪影響を及ぼすことは、皆さんもなんとなくご存知だと思いますが、具体的にはどのような影響があるのでしょうか。
まずは、美容と睡眠時間の関係について、見ていきましょう。
睡眠不足による肌への影響
健やかな肌を保つうえで重要なのがターンオーバーと呼ばれる肌の再生です。このターンオーバーは、約4週間のサイクルで繰り返されていますが、実はおもに睡眠中におこなわれているということが分かっています。
睡眠中に皮膚の細胞は新陳代謝をおこない、再生していきます。このターンオーバーにおいて重要なのが成長ホルモンです。なぜなら、成長ホルモンが分泌されることによって「ターンオーバー開始」の合図が入るからです。
そして、この成長ホルモンがもっとも分泌される時間帯が眠りに入ったすぐの頃だと言われています。つまり、私たちの肌は、睡眠中に美肌を作る活動を活発におこなっているのです。
それでは、もし睡眠が不足した場合はどうなってしまうのでしょうか?
睡眠不足が続くと、肌の再生活動が乱れてしまい、古い角質が残って肌がくすんだり、皮脂分泌が過剰になってニキビができたり、さまざまな肌トラブルの原因となります。
また、成長ホルモンは年齢とともにその分泌量が減少していきます。20代の頃は成長ホルモンの分泌が活発なので、睡眠不足の影響をさほど感じないかもしれません。しかし、年をとればとるほど睡眠不足の影響はしっかりと肌に現れてしまうのです。
良質な睡眠がもたらす美容効果
良質な睡眠によって、もたらされる美容効果はさまざまです。特に以下のような効果が期待できるでしょう。
…肌の新陳代謝が促進されることによって、メラニンが正常に排出されてシミの予防&改善につながる
目のクマやくすみを改善
…血行が促進されるため、血行不良による目のクマやくすみが改善される
キメの整ったなめらかな肌になる
…ターンオーバーが正常になると肌のキメが整い、なめらかな肌になる
肌荒れやニキビの予防
…角質層をつくりだすサイクルが正常になり、バリア機能が回復されて肌荒れやニキビ予防になる
たるみの改善
…肌代謝が良くなり、皮膚の弾力を再生してたるみ改善につながる
睡眠不足による肌以外への影響
睡眠は、私たちが健康で豊かな生活を送るために重要な役割を担っています。睡眠不足の状態が続くと、身体にさまざまな悪影響が出てきます。
例えば、睡眠不足は肥満の大きな原因です。睡眠が不足すると、食欲を抑えるホルモンの分泌が減少し、食欲を増進させるホルモンが過剰に分泌されてしまうためです。
他にも、免疫機能が低下し、アレルギーを発症してしまったり、病気になりやすくなります。
また、心の面にも悪影響を及ぼします。脳がリラックスできなくなり、ストレスや不安を感じることが増え、抑うつ的な症状が増えることも。充分な睡眠が取れていないと脳の動きが鈍くなり、仕事や勉強に集中できないといった経験は、みなさんも身に覚えがあるのではないでしょうか?
このように睡眠不足は心身ともに悪影響ばかりなのです。
良質な睡眠とは?方法とコツを紹介!
それでは、どのような睡眠をとれば良質な睡眠と言えるのでしょうか。
「何時頃に眠れば良いのか」「何時間眠れば良いのか」などなど、良質な睡眠を取る方法やコツについて、詳しく解説していきます。
睡眠のゴールデンタイムはある?
睡眠のゴールデンタイムとは、睡眠によってもっとも多くの成長ホルモンが分泌される時間帯のことです。
みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないかと思いますが、一般的には午後10時から午前2時の間が”ゴールデンタイム”とされています。
このゴールデンタイムって、本当なのでしょうか?
人間の脳は、朝起きて朝日の光を受けてから約14時間後に睡眠に向けた体制に入るようにできています。例えば、午前7時に起きたとすると、14時間後の午後9時頃から睡眠ホルモンが分泌され始めるので、肌のゴールデンタイムと言われる午後10時に就寝するというのは、理にかなっていると言えます。
しかし、午後10時に寝るというのは、現代社会ではあまり現実的とは言えませんよね。大人の場合であれば、0時頃までに眠ればあまり悪影響がないようです。目標として、0時までの就寝を目指しましょう。
大切なのは入眠後3時間
睡眠のゴールデンタイムとは、寝ている間の重要な時間帯という意味です。成長ホルモンの分泌量に着目した場合、眠りについて始めの3時間がゴールデンタイムだと考えられます。
肌は、約4週間のサイクルで成長ホルモンによって組織の修復や再生をしています。成長ホルモンは、入眠後の3時間で分泌がもっとも多くなるため、その3時間がゴールデンタイムと言われる理由です。
睡眠不足だと、成長ホルモンの分泌が十分におこなわれず、ターンオーバーが阻害されてしまいます。肌の再生が損なわれてしまうと、肌荒れや肌の老化を促進してしまうため、美肌のためには、肌を正常に生まれ変わらせる、この3時間がとても大切なのです。
最低でも何時間の睡眠が必要?
医学的にみると、寿命が一番長いのは1日に7時間の睡眠をとる人だと言われています。では、美容の観点からみると、どうでしょう?
睡眠時間が6時間以下になると、ホルモンバランスが乱れ、肌荒れしやすくなるようです。最低でも1日6時間の睡眠をとるようにしましょう。
とはいえ、1日6時間以上寝たからといって、昼夜逆転の生活は美肌にとっては逆効果です。
私たちの脳は朝、太陽の光を浴びることによって体内時計がリセットされています。そのため、昼と夜が逆転した、太陽の動きと合わない生活を送っていると体内時計が狂い、ホルモン分泌が狂ってしまいます。朝はきちんと朝日を浴び、太陽の動きに合わせて生活のリズムを整えましょう。
また、忙しくて睡眠時間を確保できない場合は、早く寝て早く起きるようにすると良いでしょう。睡眠は、前半の時間が大事なので、後半を削った方が肌への影響が少ないということです。
良質な睡眠の方法と7つのコツ
睡眠のゴールデンタイムについて、お分かりいただけましたでしょうか?
ここからは、ちょっと意識するだけで良質な睡眠がとれる簡単なコツをご紹介していきます。
コツ1:体内時計を意識する
体内時計をきちんとリセットさせるためにも、就寝時間をできるだけ一定にし、朝はカーテンを開けてしっかりと朝日を浴びましょう。日によって就寝時間が変わると、体内時計が狂うので、よくありません。休みの日だからといって、お昼までだらだら寝ているといったことも極力避けましょう。
また、就寝前に強い光を浴びると脳が朝と勘違いしてしまうため、パソコンやスマホの画面を見るのも控えましょう。間接照明などを活用して、照明をできるだけ暗めにすることもおすすめです。
コツ2:適度に体を動かす
日中に運動をすることによって、体内時計に良い影響を与えることができます。運動は、脳内のセロトニン量を増やし、セロトニンが増えることによってメラトニンの生産量が増加します。メラトニンは、睡眠ホルモンとも呼ばれており、体内時計を正確にするという重要な役割があります。
毎日少しずつでも運動をすることによって体内時計を整えることが出来ます。無理のない範囲で簡単な運動を心がけましょう。とはいえ、寝る直前に運動をするとかえって目が冴えてしまうため、日中に運動をする時間がない方は、寝る前に軽めのストレッチをすると良いでしょう。
コツ3:寝る前に入浴する
人は体温が下がるとともに眠くなるという性質があります。夕方からだんだん深部体温が下がっていき、夜にはさらに下がるので、人は自然に眠くなります。眠りが深いときほど体温が大きく低下していくのです。
より良い眠りを得るためには体温の低下が重要ですが、体温を下げるために大切なのが入浴です。入浴すると身体全体が温まり、体温が上昇します。そして入浴後は血管が開き、熱が放出されやすい状態となり、自然に体温が下がっていくのです。
体温の下降が急速であればあるほど深い眠りに入りやすいため、就寝前の入浴がおすすめです。40度前後のぬるめのお湯にゆっくりとつかり、30分後には就寝するようにしましょう。
コツ4:カフェインを控える
カフェインは、興奮状態の時に活発になる神経である、交感神経を刺激します。交感神経が活発になってしまうと、リラックスする時に必要になる副交感神経の働きを鈍らせてしまいます。
カフェインをよく摂取している人は睡眠が浅いという傾向があります。カフェインは、睡眠中に中途覚醒しやすくなってしまう原因ともなります。
良質な睡眠のためには、夜8時以降はカフェインを含む飲み物を摂らないよう注意しましょう。カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶やココア、コーラなどにも含まれています。他にも栄養ドリンクにもカフェインが含まれているものがあるので、要注意です。
コツ5:寝酒は逆効果なので控える
アルコールも良質な睡眠には逆効果です。飲酒をすると眠くなるイメージがありますよね。そのおかげで睡眠導入の役に立っていると思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、アルコールは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げます。寝付きがよくなるようでいて、実際は中途覚醒が多くなってしまうのです。
また、アルコールを分解するために尿が多く作られます。何度もトイレに起きてしまうと目も覚めてしまいますよね。上手にお酒と付き合って、良質な睡眠を手に入れましょう。
コツ6:眠りを妨げる物質に注意する
良質な睡眠のためには、眠りを妨げる物質に注意する必要があります。たとえばタバコもその一つです。タバコに含まれるニコチンは睡眠を妨げる作用があります。就寝1時間前までに喫煙は済ませておきましょう。
他にも、治療薬として飲んでいる薬にも、眠りを妨げる物質が含まれている可能性があります。高血圧の治療に使用される降圧剤などもそのひとつです。治療薬として飲んでいる薬で不眠などの症状を感じた際は、一度かかりつけの医師に相談しましょう。
コツ7:睡眠を誘うものを取り入れる
ホットミルクが睡眠に良いと聞いたことはありませんか?ホットミルクに限らず、適度に身体を温めてくれるホットドリンクを飲むことは、良質な睡眠にもとても有効です。
温かい飲み物で上昇した深部体温が下がっていくとともに、眠気を誘ってくれる効果があります。カフェインを含む飲み物は厳禁ですが、ノンカフェインのハーブティーや白湯などもおすすめです。特に白湯は、内蔵の働きをサポートする効果があり、デトックス効果にも期待が持てます。
他にも、アロマテラピーで使用する精油には、心を落ち着かせる効果があります。アロマの香りは直接脳に届き、大脳辺縁系という感情を司る部分で自律神経やホルモンのバランスをとっています。心をリラックスさせることで鎮静作用を発揮し、心地よい眠りに誘ってくれるのです。自分の好きな香りを探してみるのもおすすめです。
良質な睡眠を意識して眠りの質を高めよう
ここまで、良質な睡眠のコツについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
良質な睡眠にはさまざまな方法があります。まずは無理なく、少しずつでも出来ることからチャレンジしてみてください。
睡眠不足は、美肌だけでなく健康においても大敵です。しっかりと質の良い睡眠をとり、健康で美しい肌と身体を手に入れましょう。